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 薬学生のための業界豆知識 


業務から学ぶ本当の知識を先輩薬剤師が支援
クラフト(東京都)さくら薬局東五反田店薬局長 右田知美さん 星薬科大学卒

星薬科大学を2000年に卒業後、クラフトに入社した右田知美さん。現在は、同社が展開する「さくら薬局」の1店舗、東京・東五 反田店の薬局長として、後輩の育成にも力を注いでいる。 さくら薬局東五反田店は都内品川区のNTT東日本関東病院前に 位置し、周辺には同業の保険薬局が軒を並べているが、ライバル関係というよりも備蓄薬がないケースは互いに融通しあうなどして患 者を支えている。

右田知美さんは、クラフト入社後、複数の店舗で経験を積み、5店舗目となる東五反田店には、3年前の7月に薬局長として人事異 動した。右田さんが、この経験から得たものは「本当の知識は実際の業務の中で、身につけていくもの」ということ。大学で学んだ知 識、そして入社後の研修によっても接遇やマナーといった基本的な事柄は学ぶことができるが、生きた知識は業務の中でこそ学ぶこと ができるという思いだ。

自身の入社間もないころを振り返り「弊社には幸いわからないことがあれば、先輩薬剤師に遠慮せずに聞ける雰囲気がありますし、 実際適切なアドバイスをもらった」と述べる。加えて本部には、各分野のスペシャリストがおり、現場で生じたさまざまな疑問に回 答する体制が、構築されているということだ。 

現在は、薬局長として後輩スタッフから、その背中を見られる立場になった。 「しっかりしないと」と、気持ちを引き締め日々の業務に取り組んでいるが、後輩スタッフには指示待ちではではなく、自 主的に動くように促している。そして、経験上で学んだことを少しでも後輩に伝えたいという思いから、その経験を文書の形にして、 小テストのようなことも行っている。「患者さまからのご質問も薬剤師として成長するための糧」という右田さん。薬局長の今も、一薬 剤師として研鑽を積み、「今後は漢方などを学び幅広い知識で患者さまと接していきたい」と前向きな姿勢を見せている。

患者さんの感謝の言葉を大きな励みに日々業務
富士薬品(埼玉県)あい薬局針ヶ谷店 木村智子さん 昭和薬科大学卒

薬剤師として患者に接したいという思いと、調剤薬局とドラッグストアいずれの業態も、自らの意思で選択できる魅力から、富士薬 品に昨年入社した木村智子さん。 同社は医薬品製造から調剤薬局・ドラッグストアのチェーン展開まで手がける総合医薬品企業だが、 自らの選択希望が叶い、さいたま市内の住宅地の一画に店舗を構える「あい薬局針ヶ谷店」に配属され、業務にいそしんでいる。

入社後の研修については、調剤に関わる限られた内容にとどまらず、「OTC やビューティケアといった幅広い知識が学べる点が新 鮮」という木村さん。むろん、社内研修だけではなく、同期の仲間との情報交換や先輩からのアドバイスを得て、自らを高めている。  配属先の薬局は、在宅服薬管理指導にも取り組み、患者の自宅に伺った時に「ありがとう」と感謝の言葉をいただくことが、木村 さんにとっての大きな励み。入社から1年というところだが、「将来的には教育担当も任せられるようになりたい」と希望に燃えている。


「ヒヤリ・ハット」事例に即応してプロとして成長
セガミメディクス(大阪府)セガミ薬局香里駅前店 野田泰宏さん 摂南大学薬学部卒

実家が薬店だったことから「親の定めたレールに乗って」薬学を志した野田泰宏さん。「人の役に立つこの職種に満足しています」と 使命感に燃えている。就職先としてセガミメディクスを選択した動機は「DgS業態をメーンに調剤の実績もトップクラス。職域の選 択肢が広く、物販と処方せんのどちらにも興味があったため」と意欲的だ。

06年春に入社して、この3月で新人教育を終えたところ。「研修生のバッジを付けていても白衣だとお客さまから見ればベテランと同 じ。在庫や待ち時間を聞かれても答えられず、最初は戸惑いました」と無我夢中の滑り出しながら「経理や販促、商品のポイント、トッ プが何をやっているかに至るまで教わり、今は何でも担当しています」と月間3,000枚の院外処方せんを応需する香里駅前店の戦力に加 わった。薬剤師として避けられない「ヒヤリ・ハット事例」も経験した。「多忙な時に新患の方がアンケート項目に授乳中とチェックし たことを見逃し、抗生剤を渡してしまった。本人でなく、男性が薬を取りに来られたケースです。名前も男女どちらとも違和感のない もので、授乳に対する服薬指導ができなかった。ご自宅へ急行しても不在で置き手紙を残した上、さらに電話をかけ続けてやっと連絡 が取れ、服用前に間に合った」と粘りのアプローチで問題を回避した。

 休日は高校時代から続けている軽音楽でドラムを叩く。母校の大学へ出向き、後輩の指導にも当たる行動派。セガミメディクスにお ける同期は関西採用組で30人。切磋琢磨してスキルアップを競い合い、創業70周年を迎えた同社に新たなエネルギーを付加する新勢力 だ。 インタビューに際して野田さんは「死ぬまで勉強です」とさりげなく締めくくった。肩肘張らずスペシャリストに求められる責務を こなすその姿勢こそ“セガミイズム”が浸透した表れなのかもしれない。



みんなで磨き合いながらスキルアップ
ティエスプラン(兵庫県)ティエス調剤薬局潮江店 上田孝治さん 近畿大学薬学部卒

「スタッフみんなが熱心なんです。特に上の方々が熱心。お互いに引っ張られるような感じで、切磋琢磨しています。とにかく、下 の意見がすごく反映されやすいので、とてもやりがいがありますね」と上田さん。その言葉通り、仕事に対して真摯なまでに前向き な社風があるという。

上田さんは大学卒業後の約6年間半、救急患者を扱う大手病院内の薬局に勤務。病院内での業務と調剤薬局での業務は、その仕事内容が大きく異 なり、最初は少し戸惑いもあったと話す。「病院と大きく違うのは、カルテが見られないということ。患者さんがどのような形で治療を受けてい るのか、治療計画があるのか、病院ではカルテを見ることでわかりますが、ここでは処方せん1枚しかありません。その1枚から患者さんの状態 を理解していかなければいけないので、最初は戸惑いもありましたが、逆に薬剤師としての役割があるということを強く実感しました。

今は、処方せんの薬の名前だけでお話ししながら信頼を得ていくことに、大きなやりがいを感じています」患者から信頼感を得ることで、それが 次の仕事につながり、また新たな信頼を得るために、さまざまな努力をしていくという社風が同社にはあるという。
冒頭に語った「熱心」と いう言葉も、全ての基本はそうした「信頼を得るための努力」にあるのかも知れない。「先輩の方々は経験が豊富なのでアドバイスも的確なんです。 悩みにすぐ答えてくれます。もちろん、後輩にも、これまでの経験をしっかり引き継いでもらえるように指導していきたいですね。去年、学会で 発表さていただいたのですが、新人にも発表できるように指導して、自分にも発表できるんだという喜びを感じてもらいたいです」。


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